時効析出型チタン銅合金における不連続析出物生成と結晶粒界性格との関係

摘要

時効析出型Cu-Ti系合金は強度特性、応力援和性などに優れているため、主に小型電子部材用の接点材料として利用されている．通常、時効析出型Cu－Ti系合金はTiを約3～5at．％を含有し、これを高温（850～900°C）の銅固溶体域で洛体化後に急冷した後、400～500°Cで時効する．Fig．1にCu-Ti合金の洛体化材を450°Cで時効したときの典型的な組織変化を示す．時効初期では、過飽和固洛体母相から準安定相β'-Cu4Ti（正方晶：I4／m、α＝0．583nm、c＝0．362nm）が微細に連続析出する（Fig．1（a））．