乳房再建における 健側の乳房固定術?縮小術

摘要

乳癌術後の乳房再建では，患側の再建手術だけでは乳房の対称性を獲得できないことがある。 そのような症例では，健側の乳房固定術や縮小術を行い左右の対称性を獲得している。乳房固定術?縮小術は，基本的に乳房再建術後2次的に行い，必要に応じ再建乳房の修正術や乳 輪乳頭形成術を同時に行っている。乳房再建術に乳房固定術?縮小術を施行した症例は25例であり，全症例で形態的には良好な結 果が得られた。しかし，periareolarincision法により乳房固定術を行った3症例で，術後健側の乳 輪の拡大により乳輪の左右差を生じた。3症例は，いずれも乳房固定術と同時に健側からの乳輪 乳頭移植を行った症例であった。Periareolar incision法では乳頭の移動距離が大きい場合，術後 に乳輪が拡大する可能性がある。健側の乳輪形成術は術後一定期間経過し，乳輪の大きさに変化 がないことを確認した後に行うのが良いと考える。