脂肪融解注射液自己注入後遣症の1例

摘要

緒言·目的：メソセラピー（脂肪融解注射による部分痩せ）は広く行われている。今回脂肪融解注射液をインターネットで購入後に自己注入し，脂肪織炎，皮膚全層壊死の後，瘢痕治癒した症例を報告する。症例：症例は21歳女性で6か月前にインターネットで購入した脂肪融解注射液（Lipostabil~R）を無麻酔で臀部～両大腿に複数箇所自己注入したところ，施術後に臀部，両大腿全体の発赤·腫脹が出現した。さらに脂肪織炎，皮膚全層壊死に対して近医形成外科で治療後，瘢痕の治療目的で当科受診となった。考察·結論：インターネット検索サイトGoogleを用いて"メソセラピー　自己注入"で検索したところ10,300件，"脂肪融解　自己注入"で7,620件の関連サイトを認めた（08．11．12現在）。これらのサイトから一般の方が脂肪融解注射液，注射器，針をインターネットで簡単に購入し，プログや掲示板に公開されている施術方法で自己注入を繰り返している実態が明らかになった。政府，学会として早急な対策が必要と考え報告する。