鉄鋼スラグ由来陰イオン除去材の排水処理および汚染土壌処理への適用

摘要

最近では、具体的にどのような分野でスラグLDH を用いるかを検討している。たとえば、ヒ素やホウ素、六価クロムといった水溶液中で陰イオン種を形成する有害物質の除去材としてスラグLDHを利用することができる。土壌中に含まれる上述の有害陰イオンの固定化にも適用できる可能性がある。東京オリンピックの開催やリニア新幹線の開通を控えて関連する公共工事が計画される中、安価かつ簡便な方法で自然由来の土壌に含まれる有害イオンを除去·固定化する技術開発は、昨今注目を集めている。現在、スラグの再資源化（スラグLDHの合成）と環境浄化（有害陰イオンを含む排水·汚染土壌の処理）の達成と、効率の良い有害陰イオンの処理プロセスの確立を目指した応用段階に位置する研究を行っている。単なる有害陰イオンの除去材の開発にとどまらず、有害陰イオンの除去·固定化プロセスの設計に重要な指針を与える鍵因子の把握を目指している。理工系の学生の皆さhが研究概要を理解できるように、前報の続編に位置する解説記事をまとめた。