超高齢者（80歳以上）に対する腹腔鏡下胆囊摘出術

摘要

2011年4月から2016年9月までに，当科で腹腔鏡下胆囊摘出術を行った710例を対象 とし，80歳以上の超高齢者38例と79歳以下の672例で手術成績を後方視的に比較検討した。 手術方法は基本的に4孔式のいわゆるフレンチスタイルで，Calot三角を展開する逆行式胆囊 摘出術をC02気腹法（8~10mmHg)で行った。患者背景では超高齢者で年齢が高く (P< 0.01)，BMI値は低く(P=0.01)， ASA-PSは高かったCP<0.01)。手術成績は超高齢者で気 腹までの時間が短かった(P=0.01)が，出血量が多く CP<0.01)，術後診断では胆囊癌の比率 が多かったCP<0.01)。術後合併症（Clavien-Dindo分類n以上）は超高齢者で2例（5.2%)， 79歳以下15例（2.2%)に認めたが，有意な差はなかった。超高齢者に対する腹腔鏡下胆囊摘 出術は安全に施行できた。