序文：消化管術後例における胆膵治療内視鏡の進歩

摘要

ERCP関連手技と関係する消化管術後症例として Billroth I法再建胃(B-I)症例，Billroth II法再建胃 (B-II)症例，膵頭十二指腸切除後のChild法症例，そ してRoux-en-Y (R-Y)症例などが代表的なものとし てあげられる。このうちBrawn吻合を有するB - II症 例や輸入脚が長いR-Y症例では通常の汎用スコープ では吻合部や乳頭部に到達しないこともしばしばあ り，現在でもいわゆる"困難例"とされている。こう した困難例に対してはYamamotoらにより開発され たバル一ン小腸内視鏡により，現在では多くの症例で 盲端部まで到達することが可能となっている。そう いった点では決して簡単とまでは言えないが，R-Y症 例のERCPですら普通に施行できるようになった今日 の内視鏡技術の進歩には目を見張るものがある。