局所進行膵癌に対する術前化学放射線療法における治療効果予測?予後予測の検討

摘要

膵癌に対しては長らく治療選択肢が限られていたが，近年，さまざまな化学療法のレジ メン，外科治療?放射線治療の技術進歩がみられるようになり，個々の症例において治療効果 を予測しつつ最適な治療法を選択することの重要性は高まっている。とくに進行膵癌に対する 術前化学放射線療法は化学療法,放射線治療.外科手術,術前?術後の補助化学療法などを組 み合わせた複合的な治療効果によって治療成績の改善を目指すものであり，それぞれの治療stepでの効果?予後予測は最適な治療法の選択に必須である。局所進行臈癌に対する術前化 学放射線療法後の切除例においては再発の多くが遠隔臓器転移によるものであることから，局 所進行腾癌はsubclinicalなsystemic diseaseと認識し，治療効果予測に際しては局所効果の みならず総合的な治療効果?予後予測法を確立することが,今後の治療成績の向上のために重要である。