核医学診療施設における液体状放射性廃棄物管理状況の　アンケート調査

摘要

医療現場における放射性同位元素の排水管理状況を明らかにし，より合理的な放射線管理への提言の基礎資料とすることを目的として平成14年度厚生労働省科学特別研究事業「医療行為に伴い排出される放射性廃棄物の適正管理に関する研究班」ワーキンググループト2として全国の核医学診療施設を対象にアンケート調査を実施した．対象は1，215施設，回答数（率）642施設（52．8％）を得た．その結果，ほとhどの施設で現行法令に基づいた排水中放射性同位元素の濃度限度比は1未満を示し法令の規定内であった．また，米国の液体状放射性同位元素の下水への放出規定をモデルとし，放射性同位元素の使用量と事業所の1ヶ月排水量から排水中放射性同位元素濃度比を算出したところ，専用治療病室を有さない499施設のうち473施設において，放射性同位元素の使用量と事業所の1ヶ月排水量から貸出した排水中濃度限度比の和は1未満であった．特に1か月事業所排水量が25，000m3以上の施設では実際の使用量で算出した濃度限度比の和はすべての施設で1未満であった．