原発開放隅角緑内障と正常眼圧緑内障におけるfrequencydoubling technologyの異常検出感度の比較

摘要

Frequency doubling technology（FDT）を用いて原発開放隅角緑内障（POAG）と正常眼圧緑内障（NTG）における異常検出感度を比較した．対象は，POAG患者29例29眼，NTG患者27例27眼で，平均年齢， Humphrey視野計（HFA）のmean deviation（MD），pattern standard deviation（PSD）には両群間に差がなかった．適切な遠見矯正レンズを用いて全例にFDTのC－20プログラムを施行した．FDTとHFAにおけるMDの相関関係は，POAG群がy=o．60x－2．7（r=0．78， p＜0．01＝， NTG群がy=0．59x+0．6（r=0．81，p＜0．001＝となった． FDTの視野指標の比較では， POAG群のMDがⅣTG群に比べ有意に低下していたが（p＜0.05），PSDに差がなかった．早期緑内障例（MD≧－5dB）でHFAとFDTのMI）の有意水準を比較すると， POAG群ではNTG群に比べFDTの有意水準がHFAよリ低くなる症例の割合が多かった（p＜0．02）．FDTの耳側周辺部の測定点では，POAGの平均網膜感度がNTGに比べ有意に低下している測定点が多かったが　 HFAでは全測定点の平均網膜感度に差がなかった．FDTではNTGに比べPOAGの異常をよリ鋭敏に検出していた．これによりMy細胞の障害の程度がNTGとPOAGで異なることが示された．