無症候性脳梗塞患者に見られた抑うつ状態に対するfluvoxamineの使用経験

摘要

抑うつ気分·不眠·めまいなどの不定愁訴はあるが，神経症候が認められず，MRI検査にて何らかの虚血性変化と考えられる小病巣が見出された症例に対するfluvoxamineの臨床効果をZungのうつスケール（以下SDS試験）を用いて検討した。 そして，SDS試験で49点以上を示した8例にfluvoxamlneを投与したところ，投与4週間で不眠?抑うつ気分の改善が見られ，SDS試験億でも有意な改善を示した。 以上の結果から無症候性脳梗塞患者に見られる不眠や抑うつ気分の一部にはうつ状態が関与している可能性があり，fluvoxamineは試みてみる抗うつ治療法の1つと考えられた。