塩酸ミドドリン口腔内崩壊錠（メトリジン~RD錠2mg）の自動錠剤分包機による耐久性試験

摘要

帝京大学医学部附属溝口病院では，塩酸ミドドリン錠2mgを採用しており，基本的に入院患者に対して自動錠剤分包機で調剤を行っている。 塩酸ミドドリンは透析時の血圧低下や精神科領域での薬剤起因性低血圧などに用いられており，透析時の血圧低下では頓用として用いることが多いので塩酸ミドドリン口腔内崩壊錠2mgの有用性は高いと考えられる。 一溝，精神科領域では自動錠剤分包機を用いた調剤が多いため，塩酸ミドドリン口腔内崩壊錠2mgは硬度の点で錠剤の耐久性，保存性が問題となる。 塩酸ミドドリン口腔内崩壊錠2mgは，製造元で錠剤の硬度試験，薬効に対する保存性試験は行われているが，実際の自動錠剤分包機を用いた耐久性および，硬度に対する保存性についての検言はなされていない。今回，塩酸ミドドリン口腔内崩壊錠2mgを自動錠剤分包機にて調剤した際の錠剤の耐久性，保存性について検討を行った。 その結果，塩酸ミドドリン口腔内崩壊錠2mgを250錠充填したカセットを使用した際にゴマ粒と同等の欠けが1錠発生したが，問題となる大きな傷はなかったため，塩酸ミドドリン口腔内崩壊錠2mgは日常における自動錠剤分包機を利用した調剤が可能であることが示唆された。