ビオフェルミン錠剤(BF13)の薬効に関する基礎的検討Bifidobacterium bifidum G9-1の実験的便秘および下痢モデルに対する効果

摘要

ビオフェルミン錠剤（BF13)は,ヒトの主要腸内菌として知られるビフィズス菌の一種であるBifidobacterium bifidum G9-1 (BBG9-1)を含有する製剤である。 我々は, BF13の腸内菌叢異常による諸症状に対する改善効果を知るために,便通異常を示す実験的便秘および下痢動物モデルを用い,各モデルの症状および腸内菌叢に及ぼすBBG9-1の効果を検討した。 その結果,1 )低繊維食(1%繊維飼料)給餌便秘モデルに対してBBG9-1投与は,減少した総糞便量および総糞便個数を有意に増加させ,便秘様症状を改善した。 さらに,糞便中の通性嫌気性菌の占有率を上昇させるとともに大腸菌群の占有率を低下させた。 2 )レクチン食給餌下痢モデルに対してBBG9-1投与は,下痢様症状を改善する傾向を示した。 さらに,糞便中の偏性嫌気性菌の占有率を上昇させるとともに大腸菌群の占有率を低下させた。 よってBF13 (BBG9-1)は,便秘および下痢に対して腸内菌叢の正常化を誘導し,症状改善効果を発揮する有用性の高い製剤と考えられる。