広岡式性格病態分類によるパ土ック障害の臨床研究1 - パニック障害とco morbidityの多剤併用療法-

摘要

パニック障害とcomorbidityに有効な薬物療法と性格,病態との関係を明らかにする。 広岡式性格病態分類により,精神障害をAtype (社会性十気分易変性-),ABtype (社会性+,気分易変性+), Btype (社会性-,気分易変性+), Ctype (社会性-,気分易変性- ; nAnBtype,の4タイプに分け,さらにそれぞれをactive, middle, inactiveのsubtypeに分け,各タイプにおけるパニック障害を研究し,各タイプに有効な薬剤を示す。 ①広岡式性格病態分類による各タイプにおいて,パニック障害の原皮はAtypeは低額度で, ABtypeとBtypeは高額度である。 気分易変性がある場合はパニック障害の頻度が高まる。 ②Ctype (社会性-,気分易変性- ; nAnBtype)はほとhどパニック発作を起こさかい。 ③統合失調症を発症すると,気分易変性を有する場合を除いて,パニック発作は起こしにくくなる。 ④パニック障害とcomorbidityは,広岡式性格病態分類の各タイプでは,ノルアドレナリン優位の抗うつ薬と抗不安薬の併用投与がAtypeに有効であり,ABtypeにおいても比較的右効である。 SSRI (fluvoxamine, paroxetine,と抗不安薬の併用投与はBtypeにおいて有効である。SNRI (milnacipran)は,パニック障害を右さない患者ではABtypeに有効であるのに対して,パニック障害を有する患者ではAtypeに有効である。Perphenazineと抗不安薬の併用投与が特にinactive subtype,社会恐怖のcomorbidityに有効である。パニック障害とcomorbidityを含めた病態を把握し,精神の全体に対する薬物療法をすることがパニック障害に対する有効な治療になる。 その場合には広岡式性格病態分類が有効である。