足白癬に対するラノコナゾール軟膏の有効性および患者治療満足度の検討

摘要

足白癬患者23名を対象として，ラノコナゾ一ル軟膏（ァスタツト~R軟膏1%)の有効性の検討および患者治療満足度調査を実施した。ラノコナゾール軟膏を1日1回4週間塗布し， 皮膚症状の観察および真菌学的検査を実施した。本研究では，有効性の検討に加え，患者治療満足度およびQOL (Quality of Life)も併せて調査した。治療満足度についてのアンゲート調査は試験開始4週後に実施した。また，QOLは皮膚疾患の特異的QOLの指標であるSkindex-16を用いて試験開始時および4週後に患者から回答を得た。その結果，有効性については「発赤」「水疱」「浸軟」「びらh」「鱗屑」「角化」の各皮膚所見とも経時的な改善を認め，皮膚所見合計スコアは，2週後，4週後で有意な改善が認められた（p<0.001：t検定）。皮膚所見の改善率は，2週後が77.896， 4週後が90.5 %であった。菌陰性化率は，2週後が52.9%, 4週後が71.4%であった。総合臨床効果の有効率は，2週後力552.9%， 4週後が71.4%であった。副作用は認められなかった。患者治療満足度調査では，使用感，治療満足度，外用によるストレスの有無等の全ての質問項目で良好な結果が得られた。Skindex-16によるQOL調査では，開始時と4週後で有意な差は認められなかったものの，4週後ではQOLが向上する傾向が認められた。特に女性では有意にQOLが向上した（Pく0.05 ： t検定)。以上より，足白癬に対するラノコナゾール軟膏による外用療法は，高い有効性を発揮するとともに，良好な使用感等により患者の治療満足度やQOLを高めることが示唆された。