リツキシマブ併用化学療法におけるラミブジン予防投与終了後のB型肝炎ウィルス再活性化

摘要

リツキシマブ併用化学療法におけるラミブジン（LAM)予防投与終了後にB型肝炎ウィルス（HBV)再活性化を来したB細胞リンパ腫3例を報告する。3例ともにHBs抗原陽性のHBVキヤリァであり，リツキシマプ併用CHOP療法にLAMによる肝炎予防を併用した。HBV再活性化の時期は，リツキシマプ併用化学療法終了後それぞれ6, 8,13ヶ月後であった。また，LAMの内服期間は治療後それぞれ2, 6,11か月であった。2例はLAMの再開，1例はェンテ力ビル投与によって治療し軽快した。HBVキヤリアに対する化学療法時の抗ウィルス薬予防投与は広く行われているが，その投与方法や期間は定まっていない。リツキシマプの登場以来，遅発性のHBV再活性化やHBs抗原陰性例でのde novo肝炎が問題となっており，肝炎発症予防のためのモニタリング法ゃ抗ウィルス薬の適切な使用法を含めた早急な対策が必要である。