ゼブラフィッシュの挿入変異生成法と脊椎動物の遺伝子機能研究

摘要

"脊椎動物の形態形成に必要なすべての遺伝子を明らかにする."ゼブラフィッシュを用いたフォワード遺伝学は,この夢を現実にするかもしれない.形態形成に異常がある変異体の網羅的な"mutant fishing"を行ない,原因遺伝子を解析する.このプロセスを効率よく行なうために挿入変異生成法の開発が重要である.筆者らは,偽レトロウイルスを用いた挿入変異生成法を開発してきた.この方法により発見されたhagoromo遺伝子は,ゼブラフィッシュでは縞模様形成に, 哺乳動物では指形成に重要な働きをしている.また,筆者らはメダカトランスポゾンTo12因子をゼブラフィッシュ生殖細胞で転移させることに成功した. To12因子を用いた新しい方法論の開発が可能である.