神経性無食欲症に対する分心気飲の使用経験より

摘要

分心気飲は現代ではあまり使用されない処方の一つである。 北里研究所東洋医学総合研究所では、1995年より9年間に初診時より分心気飲が処方されたのは新患19154例中、9例のみであったが、そのうち4例は神経性無食欲症（拒食症）に対するものであった。 矢数道明の『臨床応用漢方処方解説』によると、分心気飲は神経衰弱·浮腫·腹膜炎·乳房痛·妊娠咳嗽に加え、不食病にも適応があるとされている。