桂皮の薬理作用と命門

摘要

「周方の祖」と呼ばれる桂枝湯は、桂枝加葛根湯、桂枝加芍薬湯、瓜萋桂枝湯、桂枝加朮附湯、葛根湯などと挙げられるように、原方よりも、むしろその加減方として多用されている薬方である。ここから察するに、『傷寒論』は桂枝湯を軸として構築されているといっても過言ではない。桂枝湯は、その名の通り桂枝が君薬であり、桂枝の薬効を期待して用いられる薬方でもあり、それは同時に「表証?外証」という、西洋医学にはない概念によって現される病態を治癒へと導くという、薬理学的にも比類なき特性を有している。