第48回日本泌尿器科学会中部総会シンポジウム（Ⅰ）尿路性器癌の病期診断法の進歩画像診断法から分子生物学的手技まで

摘要

近年，尿路性器腫瘍診断学においても，マクロからミクロそして遺伝子へと医学基礎研究法の進歩に伴い多くの新しい診断法が開発され，早期の腫瘍のdetection（検出）と正確なstaging（病期診断）に臨床応用されている．従来より行われている画像診断法はstagingにおいては最も重要な役割を持ち，腫瘍の局所浸潤度とリンパ節転移の正確な画像診断は治療方針決定に直結する．一方，最近では分子生物学的手技の進歩により腫瘍のdetectionにおいて遺伝子診断が可能となっている．転移診断においても従来の画像診断を用いたmacrometastasisの診断から，PCR法を用いたmicrometastasisの検出が試みられている．