1?がhの個別化医療に役立つバイオマーカーの現況と研究開発?基盤整備-遺伝医療と臨床検査医学の視点から-

摘要

ヒ卜ゲノムの遺伝子数は22,000～25,000個と報告された。最新の知見を適切に臨床検査に 応用し，がhの個別化医療を目指した実際の診療に役立てることがボス卜ゲノム時代の遺伝子診 療，遺伝医療，臨床検査に従事する関係者に求められている。その際に留意すべきは患者のがh 細胞（体細胞）遺伝子変異と，家族（兄弟や子孫）に影響を及ぼし得る生殖細胞の遺伝子変異を区 別して考えることである。さらに遺伝子の情報量が増大する要因はェピジェネティック機構，選 択的スプライシング，糖鎖付加を初めとする翻訳後修飾などの複雑な機構があリ，その多くは疾 患との関連が未解明である。これらの要因と疾患との関連を明らかにし，個別化医療を考慮する ことも課題である。本稿では，紙幅の都合上，がhの個別化医療に役立づバイオマーカ一を中心 に述した。