モーニングワークショップ2「不妊カウンセラー」2）患者の自己決定を支えるカウンセリング － 看護職の立場から－

摘要

日本では夫婦の10組に1組は不妊症であると言われ，21世紀に入り少子化が現実問題となる中，出生児の約100人に1人は体外受精や顕微授精などの生殖補助技術により出生している．近年の高度生殖医療の飛躍的な進歩は，不妊の悩みを解決して行くかのように，多くの不妊患者に子供を授ける援助をしてきた．しかし，進hだ医療技術を用いてもすべてのケースに子供が授かり，不妊の悩みが解決されるわけではない．不妊治療の特徴は，着床という医学的には未解明な現象に向かって治療を続け，その選択を夫婦に委ねられるというところにある．不妊治療を行う医療現場では，現在でも不妊症に悩む患者を救うための模索が続いており，医療技術の高度化と治療方法の多様化の波が押し寄せている．