疣贅状表皮発育異常症と神経鞘腫症

摘要

疣贅状表皮発育異常症(epidermodysplasia verruciformis, EV)は瘢風様皮疹が幼児期より出現し，徐々に全身に多発する.雨親に血族結婚が多くみられ，常染色体劣性遺伝の形式をとることが多い.30歳を過ぎると1/3から1/2の患者の日光裸露部に種々の皮膚悪性腫瘍が多発する.本症の癜風様皮疹の角層および顆粒層の核内にはヒトパピローマウィルス(humanpapillomavirus, HPV)のうちのbetaパピローマウィルスが認められ，すなわち，癜風様皮疹からはHPV5,8, 9， 12,14，15，17,19, 20-25, 37, 38,47, 80,93型などのウイルスが検出され，一方，悪性腫瘍細胞からはHPV-5,8, 12,14,19, 20,21，25， 36, 47, 93 DNAが検出される.このウイルスが子宮頸ガンと同様に悪性腫瘍の発生になhらかの役割をはたしているものと考えられている.