ドレッシング材の使い方 その特性から見た選択

摘要

表皮は，人体において肝臓と並び数少ない自己再生機能を有した組織であり，一生に渡って幹細胞が機能している.従って，皮膚損傷が表皮に限定的であれば， その治癒形式は再生である.しかし，真皮層に及ぶ創傷の治癒は再生ではなく修復となる.一般的にこの修復が短期間で行われれば，創傷は綺麗な治癒(修復)が期待される.しかし感染など修復機構にバイァスがかかると，創傷治癒は遅延し醜形を残す.創傷被覆材は近年目覚ましい進歩を遂げ，一定の完成を見たと言つてよい.本稿では創傷部管理を今一度整理し，創傷被覆材の選択についての原則を解説したい.