その他全身疾患と皮膚消化管疾患，肝機能異常，透析，内臓悪性腫瘍に伴う皮膚病変について

摘要

炎症性腸疾患のうち，クローン病では消化管外病変として，アフタ性口内炎（発症頻度10～29％），結節性紅斑（同10～15％）を認めると報告されており，特に結節性紅斑は女性に多いとされる．潰瘍性大腸炎（UC）では，消化管外病変として頻度は少ないながらも，アフタ性口内炎（発症頻度4～14％），壊症性膿皮症（PG）（同0．3～5％），結節性紅斑（同0．35～0．94％）などを生じ得る．ucとPGの発症時期については，UC先行症例が多く報告されているが同時期のものやPG先行の症例も存在する．またUCの活動性とPGの重症度についてもまちまちであり，必ずしも相関はない様である．pGの発症部位は下肢の多発例が報告されているほか，ストーマ周囲に生じる症例（peristomal PG）があり注意を要する．