栄養士に求められる精神科医療における専門性

摘要

栄養部門における精神医療での役割は入院患者様への食事の提供が中心の時代が長かった。 特に一般食の比率が一般科病院に比べ高く，精神症状の安定が目的の入院にとって慢性疾患に対する特別食の提供は精神症状に優先するものではなかった。 また，給食管理を中心にしてきた精神科病院栄養士の病態管理のスキル不足も否めない。 しかし，これまで取り組hできた"社会復帰に向けての食生活の自立支援"は精神科病院栄養士の特徴ともいえる活動といっても過言ではない。 栄養教室や調理実習をとおして，退院後に自分で料理ができるようにと，炊飯，味噌汁の基本的な調理実習から始まり，一食の食事ができるように指導を行ってきた。この活動は全県広まり，指導書 独自のレシピ料理本などが出版されている。 また，デイケア活動，OT活動，病棟活動にも参加し，入院，外来の両方から食生活の自立支環を行うまでになった。