第51回日本病跡学会

摘要

第51回日本病跡学会総会が，町沢メンタルヘルス研究所の町沢静夫会長のもと，2004年4月16，17日の両日，東京都新宿区の野口英世記念会館で開催された。 「創造性の秘密」と題された河合隼雄氏の特別講演では，自家薬籠中のC·G·ユングを例に，精神病的な体験がありながら，現実的な機能はある程度保たれ，退行的に意識のレベルを下げたところに普遍的な創造への通路があると説かれた。 「創造の病」（エレンベルガー）の道筋に明晰さが保たれるために，同伴者となる導き手の重要性にも触れられた講演は，創造における精神科医の役割を示唆するものとも思われた。