下総精神医療センター医療観察法病棟の経験　（3）運動機能の障害を持った対象者に対する作業療法

摘要

医療観察法による入院治療を受ける対象者の中には身体的合併症のみならず，運動機能に障害を持った対象者もいる。 このような対象者が入院してくることは，当初，想定していなかった。 そこで多職種チームでは作業療法士が中心となり，入院後なるべく早い段階から本人の運動機能について評価を行い，本人の障害の内容や程度に合わせた作業療法プログラムを計画した。 運動機能障害が著しい対象者については，退院後の帰住先や日常生活のレベルを具体的に想定したうえで退院目標を設定し，それに向けた作業療法のプログラムを行った。 今後も運動機能に障害を持った対象者が入院してくることは予想されるため，指定入院医療機関においては，対象者の身体合併症や運動機能の程度を的確に把撞する態勢を，あらかじめ整えておく必要があると考えられる。