第62回日本感染症学会東日本地方会学術集会後抄録(I)

摘要

日本外科感染症学会は，1988年（昭和63年）12月，名 古屋市立大学外科教授由良ニ郎先生のもとで，外科感染 に造詣の深い先生方が集まり，前身である日本外科感染症 研究会学術集会として名古屋市で開催された.主題は「術 後感染症の予防」と「多臓器不全と感染症」で，全国から 54題の演題が集まり活発な討論がなされ，私の教室から も「消化器外科領域におけるエンドトキシント血症と MOF」の演題で参加し，研究会誌である「日本外科感染 症研究第1卷」が刊行された.編集後記で由良教授は，今 までと今後を見据えて，化学療法薬は計画的に合理的に使 用しなければならないと述べておられる.その後，周術期 の外科感染について日本外科学会，日本消化器外科学会， 日本臨床外科学会，日本化学療法学会などがシンポジュ一 ムゃワークショップとして取り上げたり，CDCガイドラ ィンの発表などにより，EBMを基盤とした外科感染に関 する多くの知見が外科系医師に広まっていった.特に抗菌 薬の適正使用について顕著であった.