末梢型肺腺癌におけるCT画像による早期癌の診断基準作成の試み

摘要

近年，胸部CTを用いた肺癌検診の普及や微小肺癌に対するCT診断の進歩も手伝って，微小肺癌の切除例の報告が散見される。 その多くは肺野型の腺癌であるが，肺腺癌は径20mm以下の小型のものに限っても，病理学的には20％前後の割合でリンパ節転移を認め，その切除後の5年生存率は70％かこれを下回る報告である。したがって，肺野型の肺腺癌においては，その病変の大きさのみの規定では，早期癌の概念が存在しないと考えられている。