十二指腸に穿通した膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の1例

摘要

膵管内乳頭粘液性腫瘍（intraductal papillary mucinous neoplasm ： IPMN)は膵管内に乳頭状 の腫瘤を形成し，多量の粘液を排出する腫瘍である。 高齢者に多く，緩徐な伸展を示し，予後良好であるが, 時に悪性化や隣接臓器への穿通を示すことが知られ ている。膵頭部に発症したIPMNが十二指腸に3力所で穿通したと考えられる1例を経験したので報告する。症例は80歳代，男性。 主訴：なし。現病歴：他医通院中HbA1Cの軽度上昇(6.3->7.4)を認めた。膵癌の疑いにてMRCPを 施行したところ，膵頭部に腫瘍を認めたため当院に 紹介受診となる。