放射線を用いて診療を行う際に我々は放射線の安全な利用を心がけている。しかし,具体的にどのように放射線を扱うのが妥当なのかについては,さまざまな疑問が生じているのが実状であろう。国内の放射線医療従事者が放射線利用の安全について抱いている疑問は,世界中の放射線医療従事者も抱いている疑問である。1例を挙げれば,2004年にLancetにオックスフォード大学のRisk of cancer from diagnostic X-ray : estimates for the UK and14 other countriesと題する論文が'掲載され,診断用のX線が各国で癌を発生させている,日本の癌発症の3.2%が医療機関での放射線診断によるものであると主張して,その妥当性について世界的にたいへhな議論を引き起こしたことは記憶に新しい。
展开▼