多倍長精度数値計算を用いた完全導体円板による散乱界の数値計算: 並列計算と計算手法による高速化

摘要

多倍長精度数値計算を用いると，単精度や倍精度の数値計算に比べて著しく計算速度が遅くなる．計算速度を向上させるために，近年並列計算を利用することが主流となっている．これまで本研究では一般的なマルチコアCPUを利用したが，近年GPGPUを利用した並列計算が主流となっている．また，それを利用した多倍長精度数値計算の環境も整ってきており，更なる高速化が望める．一方，散乱界の数値計算では，計算の順序を考慮することなどの単純な計算手法の改善により高速に計算できる可能性がある．本報告では，多倍長精度数値計算を用いた完全導体円板による散乱界の数値計算に対して，並列計算と計算手法の工夫による高速化について述べる．