制御性T細胞の機能と「動き」のシングルセル解析

摘要

筆者がシングルセル遺伝子発現解析を始めたきっかけは,当時の所属先にシングルセルreal-time PCRアレィ (scqPCR)を可能にするFluidigm社のC1とBiomarkが導入されたためだが,シングルセル蛋白質発現解析であるマルチ力ラ一フロ一サィトメトリ一(FCM)法に興味と経験があった点も大きかった。「FCMと比較して,遺伝子を測定し,パラメーター数が増えたもの」という軽い認識でscqPCR解析に取リ掛かリ,その認識が間違いと気付き,FCM解析とは異なる興味深い知見を得られることを勉強した。本稿では,シングルセル遺伝子·蛋白質発現解析を用いた制御性T細胞(Treg)に関する研究について紹介すると共に,免疫学者がシングルセル遺伝子発現解析に取リ組む際の注意点も記述したい。