英国およびフランスの現状

摘要

英仏ともに一九五〇年代の黎明期から原子力発電開発を行ってきた。当初開発した国産炉はガス炉という共通点はあるものの、七〇年代の石油危機を契機にフランスが加圧水型軽水炉（PWR）による原子力発電開発にまい進したのに対して、北海から石油や天然ガスが産出した英国では、積極的な原子力開発は行われず、八〇年代にPWRが一基建設されたに留まった。しかし、二〇〇〇年代に入って北海の石油·ガス資源の枯渇が懸念されるようになったことから、英国は低炭素電源の一つとして原子力開発を積極的に行う方向に転じた。