福島第一事故に関する事故調の最終報告から

摘要

学術界として専門家が分析した事故に関する幅広い技術分野についての報告書である。筆者は、同事故調査委員会の幹事の一人として報告書を取りまとめた。事故の原因を、直接的には津波対策や過酷事故対策の不十分さとし、事故への進展対応や事故発生後の様々な不適切な事態の発生要因としても緊急時対応の不十分さであったと断定している。さらに、なぜそのような要因を生hだのかについての組織要因や間接要因について、原子力に関係する全ての組織の原子力安全への認識不足や取り組み不足であったとし、今後、原子力に関係する全ての個人や組織が取り組むべきことを提言として示した。ここでは、主要なポイントを紹介する。