熱電素子を利用した緊急通信機器の提案及び熱流確保の手法

摘要

近年、高齢者の浴室事故による死亡者数は増加傾向にあり、入浴環境の改善と併せて緊急通報システムの構築が対策として有効である。高齢者住宅へ簡易的に設置できる既存の通報機器は乾電池を電源としており、電池交換などのメンテナンス不足による機能不全が懸念される。本研究では、浴槽の湯に浸けるだけで自立駆動する熱電素子を用いたメンテナンスフリーの発信装置およびIoT通信機器からなる緊急通報システムを提案した。また、熱電素子低温側の熱容量や、使用する熱電素子数と発電電力量およびシステム稼働継続時間等の関係性を明らかにし、提案システムの動作を実証した。