誘導加熱用瞬時共振電流フェーザ制御高周波ソフトスイッチングインバータの実験特性－第1報

摘要

ファラデーの電磁誘導現象を利用した誘導加熱（IH）技術は，高い熱効率や部分加熱が可能，環境にクリーンであるといった特徴を持ち，電化住宅設備の一端を担うIHクッキングヒータの研究開発が注目されている。特に，銅製やアルミニウム製の低抵抗率被加熱物体を誘導加熱（IH）するのに適した数十kHzから数百kHz帯での電力変換が可能な高周波インバータの開発が求められている．また，高周波化とともにスイッチング損失の顕在化が問題となっており，その解決策としてソフトスイッチング技術の導入が有用視されている．そこで，著者らは固定動作周波数かつ高周波電力制御に適した位相シフト制御を利用した，瞬時共振電流フェーザ制御高周波ソフトスイッチングインバータをこれまでに提案し，電力制御手法を中心にその優れた特性を検証している．本稿では，シミュレーションによる回路動作及び出力電力特性，簡易等価回路に基づいた電力制御原理を述べた上で，実験試作器により検証した結果を報告する．