アパタイト型希土類含有化合物の合成と生体親和性の評価

摘要

BaCO_3,SiO_2及び希土類酸化物(Ln_2O_3(Ln=La,Nd,Sm,Eu Gd Dy)，CeO_2及びPr_6O_(11)))を出発原料として，アパタイト型希土類含有バリウムケイ酸化合物（Ba_(2+x)Ln_(8-x)（SiO_4）_6O_(2-x/2)の合成を行った?その結果,Dyを除くLnにおいてx＝0の組成（BLnS.Ap/x＝0）のアパタイト単相を得ることに成功した?また，BLnS.Ap/x＝1及びBLnS.Ap/ズ＝2においても主椙としてアパタイト相を得ることができた．X緑回折ピーク位置から格子定数を算出したところ，BLnS.Apの格子定数は希土類元素の含有量とイオン半径に依存していることが確認された.IRスペクトルより,得られたBLnS，Apは横道中に水酸基又は炭酸墓を含hでいることが分かった．Slnを除くBLnS.Ap/xニ2では焼結体（相対密度89%以上上最大97%）を得ることに成功した．また，BEuS.Ap/x＝1及びBGdS.Ap/x＝1に対して焼結体を得ることができた．培養細胞を用いた生体模倣実験により，BLnS.Apセラミックス表面では紐胞活性が維持されていることが分かった．特にBEuS，Apセラミックス表面での細胞の増殖性及び接着性が最も高く，HApセラミックスに匹敵する細胞接着性を持つことが確認された．また，ラット皮下埋入実験より，BLnS.Apセラミックスは生体内において崩壊することなく，線経性細胞により被包化されており，特異な炎症反応ほ見られなかった．以上のように，本研究ではBLnS.Apセラミツクスの作製に成功し，このセラミックスは生体親和性を有する材料であることを明らかにした．