建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律について

摘要

このように，エネルギーの需給構造の安定化と地球温暖化対策の両面から，省エネルギー対策の推進は不可欠とされる中，地球温暖化対策計画等に基づく住宅·建築物分野における2030年度の中期目標等の達成に向け，住宅·建築物分野においては，2030年度のエネルギー消費量を2013年度と比較して約2割削減することが求められており，住宅·建築物の省エネ性能の向上を図ることは喫緊の課題となっている。 このような背景の下，建築物のエネルギー消費性能の向上を図るため，住宅以外の一定規模以上の建築物のエネルギー消費性能基準への適合義務の創設，エネルギー消費性能向上計画の認定制度の創設，エネルギー消費性能の認定表示制度の創設等の措置を内容とする「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」（以下，「建築物省エネ法」）が2015年7月8日に公布され，2017 年4月より全面施行された。本稿では，建築物省エネ法の概要について紹介する。