金属筐体開口部に取り付けたシールド導体による静電誘導電圧の低減効果

摘要

本論文は，誘導電圧測定法を応用し，金属筐体の開口部にシールド導体を取り付けたとき，金属筐体内に生じる静電誘導電圧を実験研究により明らかにした．さらに得られた結果から，誘導電圧の低減効果を検討した．検討した結果，本実験の条件では金属筐体の開口部の約8割以上をシールド導体で覆うことにより，金属筐体内に生じる誘導電圧を帯電物体の電圧の約0.1％以下に低減できることを明らかにした．本研究の成果は，金属筐体の一面（開口部）がシールドされていなかったとき，金属筐体内に生じる誘導電圧を効果的に低減させるためのシールド導体の配置を検討するための基礎として役立つと思われる．