低周波渦電流探傷法による鋼板欠陥検出に向けた磁気信号検出法の基礎的検討

摘要

鋼材のきずの高感度検出は鋼材で構成されるインフラ構造物の非破壊検査の課題の一つである。鋼材は高い透磁率を持ち、表皮深さが非磁性材などに比べて極めて短くなるため、厚い鋼材の検査に渦電流探傷法を適用するには低周波である必要がなる。そこで本研究では、三次元有限要素法を用いた電磁界シミュレーションにより、低周波渦電流探傷法における磁気信号検出方法の基礎的検討を行った。試験対象物は、板厚が10mmの鋼材の裏面に縦20mm、横5mm、深さ4mmのスリット状のきずがあるものを想定してシミュレーションを行った。その結果、鋼材裏面においてきずにより生ずる磁束密度の変化を鋼材表面で確認できた。