赤外線サーモグラフィを用いた温度ギャップ計測に基づく鋼床版のき裂検出技術

摘要

現在、道路橋鋼床版における疲労き裂の発生·進展が問題となっている。著者らはこれまでに、赤外線サーモグラフィを用いて、部材表面温度を遠隔·非接触で測定し、き裂部に表れる温度ギャップから疲労き裂を高効率·高精度に検出する技術を考案し、実鋼床版のき裂を対象に基礎計測を実施してきた。本研究では、実鋼床版の溶接ピードき裂に対して提案するき裂検出法を適用し、き裂長さ、計測時期、計測時刻および撮影解像度が本手法のき裂検出性に及ぼす影響を実験的に明らかにした。さらに、本計測法を用い疲労き裂の有無が不明な状態で鋼床版の疲労き裂検出実験を行い、本手法の実用性について検討した結果を示す。