チャットを用いたグループワークにおける人の行動の分析方法の提案

摘要

ロールプレイ演習では教育効果を向上させるため，即時フィードバックが求められている．本稿では，演習で得たチャット4670文について，発話意図に基づいたR，L，M，Oの4カテゴリの割合を求め，演習者の行動を分析する方法を提案する．各チャット文に各カテゴリらしさを割合として付与し，カテゴリを一意に同定しないことで複数カテゴリに属する文の分析が難しかった問題を解決する．分析の基本的な手法は，人手で4カテゴリに分類し正解データの文と演習で得たチャット文の類似度を計算するものである．各カテゴリに属する正解データの類似度を平均し，その値を正規化した値を順次グラフ化し，指導や難易度を調整するタイミングを把握する．人手での分析結果と提案手法での分析結果を比較した結果，54％の類似度で似ていることが分かり，提案手法の分析結果から演習者の演習態度を把握することができた．類似度が低かったチャットと正解データのカテゴリの割合は異なっていることが分かった．