ポリピロール·ポリモリブデン酸コンポジット膜被覆による軟鋼の防食

摘要

軟鋼上で，ピロールモノマーをポリモリブデン酸イオン存在下でアノード重合することにより，黒色で柔らかく，均一に下地に密着する密度2．5gcm~(-3)のPPy·PMo膜を軟鋼に作製することができた．48hの浸漬腐食試験において，中性腐食溶液中では，PPy·PMo膜は浸漬から長時間後に絶縁性皮膜として変化し，PMoの溶出のため，あまり腐食抑制膜としては機能しない。 酸性溶液中では，裸の軟鋼に比較して軟鋼の腐食量を1／4に抑える．PPy·PMo膜が酸性腐食環境において有効であったのは，ドープイオンであるPMoが酸性水溶液中で比較的安定して存在するためと思われる．