既設鋼箱桁橋への落橋防止システム設置における補強に関する検討

摘要

落橋防止システムの一例である，桁一脚タイプの落橋防止構造と変位制限構造について，FEM解析を行った結果,以下の点が明らかになった.（1）桁-脚タイプの落橋防止構造①桁側ブラケットの地震時の変形を低減させるために，ブラケットウェブに水平リブを配置させる必要がある．②2本の上部構造側ブラケットについて，主桁ウェブに垂直補剛材がない側のみ，ウェブ自身も補強する必要がある．③本補強案は箱桁のみならず，Ⅰ桁にも適用可能である．（2）変位制限構造（主桁側の補強）①橋軸方向の変位制限構造を固定支点のみに設置できる可能性を確認することができた．②内部補強の設計には，曲げモーメントを偶力に置き換える方法を取るが，部材を設計する際には，設計応力度を許容応力度の70％程度に抑える必要がある。 ③主桁下フランジには面外変形が発生するので，ベースプレートを厚くするか補強板を入れる必要がある．さらにⅠ桁の場合にも適用の可能性がある．