偏心を有する鋼構造強柱立体骨組の等価1質点3自由度系への置換（弾塑性応答に関する諸量）

摘要

本論では，一般化硬化塑性ヒンジ法に基づく2種類のバネ要素を直列結合する力学モデルを用いた弾塑性応答解析法を提案し，偏心を有する鋼構造強柱立体骨組を等価1質点3自由度系に置換する手法を構築した。 また，広範なパラメータに対して等価1質点3自由度系と魚骨形立体骨組モデルの解析結果を比較して以下に示す知見を得た。 （1）等価1質点3自由度系の損傷が集中する最外線構面（X0構面）における梁端の最大塑性回転角_（X0）θ_(bp, max)と累積塑性回転角∑_(X0) θ_(bp)は，多層立体骨組の解析結果の平均値と概ね一致する。 ただし，固有周期に対して擬似速度応答スペクトルS_Vが低下するような短周期城に高次の固有周期が存在する場合は，等価1質点3自由度系の応答は，多層立体骨組の応答の最大値と概ね一致する。 また，スパン数の増加に伴って，等価1質点3自由度系の累積塑性回転角∑_（X0） θ_(bp)は，多層立体骨組の解析結果の平均値より1～2割程度小さくなる。 （2）多層立体骨組において偏心による最外縁構面（X0構面）に生じる最大塑性回転角_（X0）θ_(bp, max)と累積塑性回転角∑_(X0) θ_(bp)の応答増加率は，等価1質点3自由度系で概略的に評価できる。