天然物化学における歴史的転換点を探る：眞島利行から1964年国際天然物化学会議へ

摘要

筆者は，すでに前年の化学史学会の年会で，2012年からの化学史学会会員と共同研究，科学研究費（基盤研究（B））「日本化学の転換点としての1930～60年の比較科学史的研究」によって，日本において化学研究が世界レベルに達した1930年代以降，戦争動員·第二次世界大戦から戦後という世界史上の大変動期にどのような対応と転換を成し遂げて，ノーベル化学賞を輩出するような科学研究環境が整えられたのか，その背景と内容を化学内の各研究分野について明らかにするとともに，他の国の化学研究との比較史的観点も加えて総合的に解明したいと述べた．