科学アカデミー院長：エカテリーナ·ダーシコワ:啓蒙期ヨーロッパにおける科学アカデミーと女性（その1）

摘要

啓蒙時代のヨーロッパにおける科学アカデミーと女性，という言葉を聞いたとき，科学史研究者は何を思い浮かべるであろうか．この時代の科学アカデミーに女性などいたであろうかと首をひねる向きも多いかもしれない．18世紀を専門とする研究者なら，ボローニヤ·アカデミー会員として名をはせた，ラウラ·バッシ（Laura Bassi，1711－1778）を思い浮かべるかもしれないし，パリの科学アカデミー終身書記メラン（Jean－Jacques Dortous de Mairan，1678－1771）と活力論争をしたエミリー·デュ·シャトレ（Gabrielle-Emilie Le Tennerier de Breteuil，marquise du Chatelet，1706－1749）のことを思い出すかもしれない．