東京大学における分離工学研究～マイクロバブルを用いた省資源·省エネルギー型分離技術開発への取組とその最新動向京都大学大学院エネルギー科学研究科エネルギー応用科学専攻

摘要

筆者の所属する「京都大学大学院エネルギー科学研究科エネルギー応用科学専攻資源エネルギー学講座ミネラルプロセシング分野」においては、従来の選鉱学に加え、その学問領域を基礎とした実践的新規分離技術開発とその目的基礎研究、さらには従来扱ってこなかった超微粒鉱石あるいは超微粒領域の固相分離技術開発、園液分離技術開発などを行っている。特に近年ではマイクロバブル（MB）が有する工学的優位性に着目し、従来の分離技術では低コストで回収困難であったマイクロメートルからナノメートルサイズの固体粒子や鉱石粒子の分離·回収、細菌などの数ミクロンメートル以下の水棲微生物の除去、超微粒有機物の回収、超希薄含有書物質コロイドの固液分離、放射性物質で汚染された粘土超微粒子／ナノ吸着剤超微粒子の迅速回収などを目的とした「マイクロバブル浮選」の基礎·応用研究ならびにその実用化研究を行っている。従来の浮選では回収ができない超微粒子でもMBで回収可能であることを実試料を想定した目的基礎研究を通じて明らかにしてきている。本報告では、マイクロバブル浮選（MBF）による微粒子分離技術について、その一部を紹介したい。