ショットピーニング痕に対する有限要素解析

摘要

ショットピーニングは材料依存性が少なく，他の加工技術と比較して安価で疲労強度向上を図ることができる噴射加工法であるが，適正な加工を行なうためには，加工条件や材料特性に応じてその都度，多種多様な条件で検討をしなければならない．近年，このようなムダを省く一方策として，有限要素解析がショットピーニングの研究にも行なわれるようになった．しかし，それらの研究は残留応力に着目したものが多く，表面粗さに対する体系的な研究は十分とは言えない状況にある．さまざまなピーニング効果を生む表面粗さの基本要素である痕形状に対する加工条件や材料特性の影響を明らかにすることは工業的にも重要である．そこで本研究では，市販の有限要素解析ソフトを使用し，単一ショットによる痕生成に関するシミュレーション解析を行なった．